歯茎が腫れてぷっくりしている、押すと痛い、何日たっても引かないと不安になりますよね。
歯茎の腫れの主な原因は、歯周病、虫歯が進んで歯の根の先にたまった膿、親知らずのまわりの炎症の3つです。
やけどや口内炎、歯ブラシの傷による腫れは1週間ほどで引くことが多い一方、細菌が原因の腫れは一時的に引いても自然には治りきらず、繰り返すうちに進行します。
この記事では、腫れ方から考えられる原因の目安、自然に治る腫れと治らない腫れの違い、自宅でできる応急処置とやってはいけないこと、歯科医院で行う治療と予防までを、赤坂さくら歯科・矯正歯科が順に解説します。
腫れの原因は見た目だけでは判断できないため、2〜3日たっても引かない場合や繰り返す場合は、原因を確かめるために歯科医院を受診してください。
歯茎が腫れる主な原因

歯茎の腫れの多くは、歯と歯茎のすき間や歯の根の先で細菌が増えて起こる炎症です。
細菌以外にも、やけどや傷、口内炎、ホルモンの変化、薬の副作用などで腫れることがあります。
原因によって治し方がまったく違うため、まずは代表的な原因を知っておきましょう。
歯周病(歯肉炎・歯周炎)
歯茎の腫れで最も多い原因が歯周病です。
歯と歯茎の境目にたまった歯垢(プラーク)の細菌によって歯茎が炎症を起こし、赤く腫れたり、歯みがきで血が出たりします。
炎症が歯茎だけにとどまる段階を歯肉炎、歯を支える骨(歯槽骨)まで進んだ段階を歯周炎と呼びます。
歯周病は痛みが少ないまま進むことが多く、腫れや出血に気づいたときには、すでに骨が溶け始めている場合もあります。
進行すると歯茎が下がって歯が長く見えたり、歯がぐらついたりするようになります。
下がってしまった歯茎の治療については、「歯茎の再生は自力でできる?下がった歯茎が復活するケースと治療法・費用」で解説しています。
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虫歯が進んで歯の根の先に膿がたまった(根尖性歯周炎)
虫歯が神経まで進んで神経が死んでしまうと、歯の根の中で細菌が増え、根の先の骨の中に膿がたまります。
これを根尖性歯周炎といい、根の先に近い歯茎がぷっくりと腫れたり、噛むと痛んだりするのが特徴です。
腫れた歯茎の表面に小さな穴(フィステル)ができ、そこから膿が出ると痛みが軽くなることがありますが、これは膿の出口ができただけで、根の中の細菌は残っています。
以前に神経を取った歯や、被せ物をした歯の根の先でも同じことが起こります。
根の治療をしたあとに膿が出る場合については、「根管治療後に膿が出るのはなぜ?原因と治らないときの対処法を解説」もご覧ください。
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親知らずのまわりの炎症(智歯周囲炎)
一番奥の歯茎だけが腫れている場合は、親知らずのまわりの炎症(智歯周囲炎)が考えられます。
親知らずが斜めに生えていたり、一部だけ歯茎から顔を出していたりすると、歯と歯茎のすき間に汚れがたまり、細菌が増えやすくなります。
疲れや寝不足で体の抵抗力が落ちたときに腫れやすく、悪化すると口が開きにくくなったり、飲み込むときに痛んだりします。
親知らずを抜くべきかどうかの判断基準は、「親知らずは必ず抜歯するべき?抜いたほうがよい場合の判断基準7つ」で詳しく解説しています。
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歯の根のひび・破折
歯の根にひびが入ったり割れたりすると、割れ目から細菌が入り込み、その歯の周りの歯茎だけが繰り返し腫れることがあります。
神経を取った歯や、歯ぎしり・食いしばりが強い方の歯に起こりやすく、レントゲンだけでは見つけにくいこともあります。
やけど・傷・口内炎
熱い飲み物や食べ物によるやけど、硬い食べ物や強い歯みがきでできた傷、口内炎でも歯茎は腫れます。
やけどでは水ぶくれができることもあります。
これらは細菌による炎症ではないため、刺激を避けて口の中を清潔に保てば、1週間ほどで治ることが多いです。
ホルモンの変化・薬の副作用・全身の病気
妊娠中や思春期はホルモンの変化によって歯茎が炎症を起こしやすくなり、少しの汚れでも腫れや出血が出やすくなります。
一部の血圧の薬(カルシウム拮抗薬)、てんかんの薬、免疫抑制薬などの副作用で、歯茎が厚く盛り上がることもあります。
糖尿病があると歯周病が悪化しやすいことも分かっています。
まれに、2週間以上治らないしこりや潰瘍の中に、腫瘍などの病気が隠れていることもあります。
持病やお薬がある方は、受診の際にお薬手帳をお持ちください。
腫れ方で分かる原因の目安
腫れている場所や痛み方から、原因をある程度しぼり込むことができます。
ただし、下の表はあくまで目安で、同じような見た目でも原因が違うことはよくあります。
| 腫れ方・症状 | 考えられる原因 | 目安 |
|---|---|---|
| 歯と歯の間や歯の周りが赤く腫れ、歯みがきで血が出る | 歯周病(歯肉炎・歯周炎) | 痛みが少なくても受診をおすすめします |
| 1本の歯の根元あたりがぷっくり腫れ、押すと痛い・噛むと痛い | 根の先の膿(根尖性歯周炎)、歯の根のひび | 自然には治らないため受診が必要です |
| 歯茎にニキビのような白い出来物があり、膿が出る | 根の先の膿の出口(フィステル) | 痛みがなくても受診が必要です |
| 一番奥だけ腫れ、口が開けにくい・飲み込むと痛い | 親知らずの炎症(智歯周囲炎) | 早めの受診をおすすめします |
| 熱い物を食べた後に白っぽくなった・水ぶくれがある | やけど | 1週間ほどで治ることが多いです |
| 丸く白い潰瘍があり、しみる | 口内炎 | 2週間以上治らなければ受診してください |
| 頬や顎まで腫れる、熱がある | 細菌の感染が広がっている可能性 | できるだけ早く受診してください |
表のどれに当てはまるか迷う場合や、複数に当てはまる場合は、自己判断せずに歯科医院で確認するのが確実です。
歯茎の腫れは自然に治る?何日で引く?
やけど・傷・口内炎による腫れは、刺激を避けていれば1週間ほどで引くことが多いです。
軽い歯肉炎も、丁寧な歯みがきで汚れを落とせば、数日から2週間ほどで腫れや出血が落ち着くことがあります。
一方、歯周炎や根の先の膿、親知らずの炎症は、細菌のすみかとなっている歯石や根の中の汚れが残っているため、自然には治りきりません。
体調が戻ると腫れが一時的に引くことはありますが、原因が残っているかぎり、疲れたときや体調を崩したときに再び腫れます。
腫れが引いたから治ったとは限らない、という点が大切です。
受診したほうがよいサイン
2〜3日たっても腫れが引かない、または大きくなっている場合は受診をおすすめします。
同じ場所が何度も腫れる、膿が出る、歯がぐらつく、噛むと痛いといった症状も、自然には治らない原因が隠れているサインです。
口内炎や小さな傷のように見えても、2週間以上治らない場合は歯科医院で診てもらってください。
すぐに受診が必要なサイン
頬や顎、首まで腫れてきた、熱が出ている、口が開きにくい、飲み込みにくいといった症状がある場合は、細菌の感染が周りに広がっている可能性があります。
このような場合は様子を見ずに、できるだけ早く歯科医院や口腔外科を受診してください。
息苦しさを感じるほど腫れている場合は、救急外来を受診してください。
なお、赤坂さくら歯科・矯正歯科の診療は平日のみで、土日祝日は休診です。
休診日に強い腫れが出た場合は、お住まいの地域の休日歯科診療や救急外来をご利用ください。
歯茎の腫れを放置するとどうなる?
細菌が原因の腫れを放置すると、炎症が少しずつ深い部分へ進みます。
歯周病の場合は歯を支える骨が溶け、歯がぐらついて、最終的には抜けてしまうこともあります。
根の先の膿を放置すると、膿の袋が大きくなって周りの骨が溶け、根の治療では残せなくなることがあります。
親知らずの炎症は、悪化すると頬や喉のほうへ広がり、顔が大きく腫れることがあります。
歯周病は糖尿病や心臓の病気、高齢の方の誤嚥性肺炎とも関係があると報告されており、お口の中だけの問題ではありません。
早い段階ほど治療の負担も小さく済むため、腫れに気づいた時点で原因を確かめておくことが、歯を長く残すことにつながります。
自宅でできる応急処置
歯科医院を受診するまでの間は、腫れた部分を冷やして刺激を避け、口の中を清潔に保つことが基本です。
応急処置は痛みや腫れを一時的にやわらげるためのもので、原因を治すものではない点に注意してください。
頬の外側から冷やす
熱を持ってズキズキするときは、濡らしたタオルや、タオルで包んだ保冷剤を頬の外側から軽く当てます。
氷を直接当て続けたり、長時間冷やし続けたりすると、血流が悪くなって治りが遅くなることがあるため、気持ちがよいと感じる程度にとどめましょう。
痛み止めは用法・用量を守って飲む
痛みが強いときは、市販の痛み止めを説明書どおりに服用してかまいません。
ほかに飲んでいる薬がある方や妊娠中の方は、薬剤師に相談してから選んでください。
錠剤を腫れた歯茎に直接置くと、粘膜がただれることがあるため、必ず飲み込んで使います。
やわらかい歯ブラシで汚れを落とす
痛いからといって歯みがきをやめると、汚れがたまって炎症が長引きます。
やわらかめの歯ブラシで、腫れた部分はなでるように優しくみがき、ほかの部分はいつもどおり丁寧にみがきましょう。
殺菌成分の入ったうがい薬を併用するのも一つの方法です。
歯茎が腫れているときにやってはいけないこと
腫れているときは、血行がよくなることや患部への刺激で、痛みや腫れが強くなることがあります。
長風呂や激しい運動、飲酒は血のめぐりをよくして炎症を強めることがあるため、腫れが落ち着くまでは控えましょう。
喫煙は歯茎の血流を悪くし、治りを遅らせます。
膿を指や針でつぶしたり、腫れた部分を舌や指で何度も触ったりすると、細菌が広がるおそれがあります。
硬い歯ブラシで強くこするのも逆効果です。
また、市販の薬で腫れが引いても原因は残っているため、薬で様子を見続けるのではなく、落ち着いているうちに歯科医院で原因を確かめてください。
歯科医院で行う検査と治療
歯科医院では、まず腫れの原因を確かめる検査を行い、その結果に合わせて治療を選びます。
同じ「歯茎の腫れ」でも、原因によって必要な治療がまったく異なるため、検査がとても重要です。
原因を確かめる検査
歯周ポケットの深さや出血の有無、歯のぐらつきを調べ、レントゲンで歯の根や骨の状態を確認します。
根の先の膿や親知らずの向き、根のひびが疑われる場合は、歯科用CTで立体的に確認することもあります。
歯周病が原因の場合
歯周病の治療では、歯の表面や歯茎の中にたまった歯石と細菌の膜を取り除き、毎日の歯みがきで汚れを落とせる状態をつくることが基本です。
歯茎の中の歯石は、スケーリング・ルートプレーニング(SRP)という処置で取り除きます。
治療後に再び検査をして改善の度合いを確かめ、重度の場合は歯茎を開いて奥の汚れを取り除く外科的な治療を検討します。
当院の歯周病治療の考え方は「歯周病」のページで紹介しています。
根の先の膿が原因の場合
根の先に膿がたまっている場合は、根の中の細菌や汚れを取り除いて消毒し、薬を詰める根管治療を行います。
当院では、マイクロスコープによる拡大視野のもとで、ラバーダム防湿を原則として根管治療を行い、再び細菌が入り込むのを防ぐことを重視しています。
膿の量が多く骨が大きく溶けている場合や、根が割れている場合は、歯を残せないこともあります。
詳しくは「根管治療」のページをご覧ください。
親知らずが原因の場合
親知らずのまわりの炎症は、まず洗浄や消毒で炎症を落ち着かせ、必要に応じて薬を使います。
腫れを繰り返す場合や、手前の歯に悪影響が出ている場合は、炎症が落ち着いてから抜歯を検討します。
当院では必要に応じて歯科用CTで親知らずの位置や神経との距離を確認したうえで抜歯を行います。
詳しくは「親知らず」のページをご覧ください。
費用の目安(当院の場合)
赤坂さくら歯科・矯正歯科は自由診療専門の歯科医院のため、保険診療は行っていません。
初診カウンセリングは9,900円(税込)で、60〜90分の時間をかけてCT撮影を含む検査とご説明を行います。
歯周病治療のSRPは1ブロック16,500円(税込)、精密根管治療は根管の数により110,000円〜187,000円(税込)です。
治療の内容や範囲によって費用は変わるため、検査のあとに治療計画とお見積もりをご説明します。
すべての料金は「料金表」でご確認いただけます。
歯茎の腫れを繰り返さないための予防
歯茎の腫れを繰り返さないためには、細菌のかたまりである歯垢をためないことが一番の予防です。
歯と歯茎の境目にブラシの毛先を当て、小刻みに動かしてみがきましょう。
歯と歯の間の汚れは歯ブラシだけでは落としきれないため、デンタルフロスや歯間ブラシを毎日使うことをおすすめします。
十分な睡眠やバランスのよい食事で体の抵抗力を保つことも、腫れにくいお口につながります。
歯石は一度ついてしまうと歯みがきでは取れないため、歯科医院での定期的なクリーニングで取り除くことが大切です。
当院では、定期検診を2〜3か月に1回の間隔でおすすめしています。
よくある質問
歯茎の腫れについて、よくいただくご質問にお答えします。
歯茎の腫れは市販薬で治りますか?
市販の痛み止めや歯茎用の塗り薬で、痛みや腫れが一時的に落ち着くことはあります。
ただし、歯周病や根の先の膿が原因の場合、原因となる歯石や根の中の細菌は薬では取り除けないため、治ったように見えても再び腫れます。
薬で落ち着いている間に、歯科医院で原因を確かめてください。
歯茎が腫れているのに痛くないのは大丈夫ですか?
痛くない腫れでも安心はできません。
歯周病や、膿の出口ができている根の先の炎症は、痛みがほとんど出ないまま進むことがよくあります。
痛みがないうちに治療を始めるほうが、治療の負担も小さく済みます。
1本の歯の周りだけ腫れるのはなぜですか?
1本の歯の周りだけが腫れる場合は、その歯の根の先の膿や根のひび、その歯の周りだけ深く進んだ歯周病などが考えられます。
一番奥だけが腫れている場合は、親知らずの炎症の可能性もあります。
どれに当てはまるかはレントゲンなどの検査で確かめる必要があります。
カウンセリングだけでも受けられますか?
はい、カウンセリングだけのご来院も可能です。
初診カウンセリング(9,900円・税込)では、CT撮影を含む検査で腫れの原因を確かめ、治療が必要かどうかと治療の選択肢をご説明します。
その日のうちに治療を無理におすすめすることはありませんので、原因を知りたいだけという方もお気軽にご相談ください。
まとめ
歯茎の腫れの主な原因は、歯周病、虫歯が進んで根の先にたまった膿、親知らずのまわりの炎症です。
やけどや口内炎、小さな傷による腫れは1週間ほどで引くことが多いものの、細菌が原因の腫れは一時的に引いても自然には治りきらず、繰り返すうちに進行します。
受診までは頬の外側から冷やし、刺激を避けて口の中を清潔に保ち、膿をつぶすことや長風呂・飲酒は控えましょう。
2〜3日たっても引かない、同じ場所が繰り返し腫れる、膿が出るといった場合は、原因を確かめるために歯科医院を受診してください。
頬や顎まで腫れる、熱がある、口が開きにくいといった場合は、様子を見ずに早めの受診が必要です。
ご予約はお電話または赤坂さくら歯科・矯正歯科の公式サイトから可能です。

監修医師:土黒 さくら
- 略 歴
- 2014年 鹿児島大学歯学部 卒業
- 2014年 東京医科歯科大学 臨床研修歯科医
- 2015年 大型医療法人グループ歯科医院 勤務
- 2016年 大型医療法人グループ歯科医院 分院長就任
- 2018年 港区赤坂の歯科医院 勤務
- 2020年 赤坂さくら歯科・矯正歯科 開院
- 2023年 医療法人社団桜麗会設立 理事長就任
- 所属学会等
- ・日本口腔インプラント学会
- ・日本歯周病学会
- ・東京SJCD歯科スタディーグループ
- ・インビザライン 認定ドクター
- ・日本顕微鏡歯科学会
