インプラント治療を検討していると、医院ごとに「10年保証」「5年保証」といった言葉を見かけるでしょう。ただ、その年数が何を指しているのかまで説明されることは、あまり多くありません。
この記事では、港区赤坂で朝7時半から診療している赤坂さくら歯科・矯正歯科が、インプラントの保証がどの部品を、どんな条件で守るものなのかをお伝えします。年数の長さだけで比べると見落としてしまう点を、先に押さえておきましょう。
インプラントの保証は部位ごとに年数が違う

インプラントの保証は、治療全体に1つの年数がかかるものではありません。人工歯根、土台、被せ物という3つの部品それぞれに、別々の年数が設定されているのが一般的です。赤坂さくら歯科・矯正歯科の場合、インプラント本体が10年、アバットメントが5年、上部構造が3年となっています。
「10年保証」という表示を見たときは、それが本体だけを指しているのか、被せ物まで含むのかを確かめてください。ここを取り違えると、被せ物が欠けたときに対象外だと知って驚くことになりかねません。
部位ごとに保証年数が分かれる理由
3つの部品は、置かれている環境も受ける力もまるで違います。年数の差は、その違いをそのまま反映したものです。
骨と結合する人工歯根
チタン製の人工歯根は顎の骨のなかにあり、骨と結合したあとは直接ものを噛むわけではありません。外からの力や汚れにさらされにくい位置にあるため、3つのなかで最も長い年数が設定されるのです。赤坂さくら歯科・矯正歯科では10年としています。
力を受け止めるアバットメント
アバットメントは人工歯根と被せ物をつなぐ部品で、噛む力を伝える中継地点にあたります。ねじのゆるみや金属疲労が起こり得る位置のため、人工歯根より短い5年が目安でしょう。
毎日すり減る上部構造
上部構造は実際に食べ物を噛む部分で、3つのなかで最も消耗します。素材が欠けたり、すり減ったりすることは、使い続けている以上どうしても起こり得るでしょう。赤坂さくら歯科・矯正歯科では3年としています。
保証で確かめるのは年数より3つの点

医院を比べるとき、年数の数字だけを並べても実際の中身は見えてきません。次の3点を聞いておくと、その保証がどれだけ役に立つのかを判断できます。
何が対象になるのか
保証の対象は部品ごとに分かれています。人工歯根が骨と結合しなかった場合と、被せ物が欠けた場合とでは、扱いが変わるのが普通です。骨造成の処置や仮歯が対象に入るのかどうかも、あわせて確認しておきましょう。
もう1つ見落としやすいのが、保証されるのが何の費用なのかという点です。部品そのものの代金だけが対象なのか、作り直しの技工料や手術の費用まで含むのかで、実際の負担は大きく変わります。人工歯根を入れ直す場合には、埋入手術の費用が改めて発生するかどうかが最も大きな差になるため、ここは必ず聞いておいてください。
どんな条件がつくのか
多くの医院では、定期的なメンテナンスに通っていることが保証を受ける条件になっています。通院が途切れた期間があると対象から外れることもあるため、どのくらいの頻度で通う必要があるのかを最初に聞いておくと安心です。また、保証が使えた場合に費用が全額免除されるのか、一部の負担が残るのかという点も医院によって異なります。
どこで使えるのか
インプラントの保証は、原則として治療を受けた医院でのみ使えます。全国どこでも使える共通の制度ではありません。引っ越しの予定がある方や、長く通えるかどうかに不安がある方は、この点を早めに確認しておいてください。
保証の対象から外れやすいケース
保証があっても、状況によっては使えないことがあります。あらかじめ知っておくと、避けられるものも多くあるでしょう。
定期メンテナンスを受けていない
これが最も多い理由です。厚生労働省の委託事業としてまとめられた資料でも、治療後に定期的な検診を受けていない方は、受けていた方と比べてインプラントの残存率が低く、周囲のトラブルの発生頻度が高いことが示されています。(歯科インプラント治療のためのQ&A)
通院が途切れていると、トラブルの原因が管理不足にあったのか判断できなくなるため、保証の適用も難しくなるのです。
歯ぎしりや強い力がかかっている
歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、上部構造には設計上の想定を超えた力がかかります。ナイトガードなどの対策をすすめられたのに使っていなかったときは、対象外と判断されることがあるでしょう。
転院や引っ越しをした
治療を受けた医院に通えなくなると、保証は事実上使えなくなります。国民生活センターは、インプラント治療で不具合が生じた場合には他の医療機関への相談も検討するよう呼びかけていますが、その場合の費用は自己負担になるのが通常です。
欠けても丸ごと作り直しになるとは限らない

被せ物が欠けたと聞くと、上部構造をまるごと新しく作り直すことになると考えてしまいがちです。けれども実際には、そこまで必要になるケースはそれほど多くありません。
最も多いのは、欠けた部分だけを修復したり、当たっている面を研磨して整えたりする対応です。小さな欠けや、噛み合わせが強く当たっていることが原因の場合は、その日のうちに処置が終わることもあります。この段階で収まるのであれば、作り直しの費用も期間もかかりません。
丸ごと作り直しが必要になるのは、大きく破損した場合や、素材そのものが寿命を迎えている場合などに限られます。長く使ってきた上部構造であれば作り直しを選ぶこともありますが、欠けたからといって必ずそうなるわけではないとお考えください。
そして、作り直しになった場合でも、交換するのは上部構造だけです。骨のなかの人工歯根はそのまま使えるのが一般的でしょう。赤坂さくら歯科・矯正歯科では、上部構造の作り直しにかかる費用は奥歯で18万7千円、前歯で22万円(いずれも税込)としています。人工歯根の埋め直しから始めることに比べれば、負担はずいぶん軽くなるはずです。
言い換えれば、保証で本当に守りたいのは骨のなかの人工歯根だといえます。上部構造のトラブルは想定の範囲で、対処のしかたも決まっているからです。
そのため、被せ物が欠けたときにすぐ「保証は使えるのか」と考えるより、まずどこがどう欠けたのかを診てもらうほうが近道でしょう。研磨や部分的な修復で収まるのであれば、保証を使うかどうかを気にせずに済みます。
一方で、ぐらつきや痛みをともなう場合は人工歯根の側に原因があることも考えられるため、早めの受診が必要になります。
トラブルに気づいたときの進め方

違和感が出たときに大切なのは、早く動くことです。国民生活センターの報告(あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか)によると、歯科インプラントの相談は2013年度以降の約5年間で409件が登録され、毎年60件から80件程度が寄せられています。そのうちおよそ48%では身体症状が1年以上続いており、およそ21%は3年を超えて続いていました。
症状が長引いた背景には、受診が遅れたケースも含まれていると考えられます。ぐらつく、噛むと痛い、歯ぐきが腫れる、被せ物が欠けたといった変化に気づいたら、まず治療を受けた医院へ連絡してください。原因が人工歯根にあるのか上部構造にあるのかは、レントゲンで状態を確かめてはじめて分かります。
保証だけに頼らない備え方
保証は、何かが起きたあとに費用の負担を軽くするしくみです。起きないようにする力はありません。
同じ厚生労働省の資料によると、部分および全部欠損症例における10年から15年の累積生存率は、上顎で約90%程度、下顎で94%程度と報告されています。多くのインプラントは10年という単位で機能を保っているわけですが、その前提にあるのは日々の清掃と定期的な通院でしょう。
国民生活センターも、治療前に口のなかと全身の状況、治療方法や費用、リスクについて歯科医師に説明を求めること、そして自分自身での適切な口腔清掃と定期検診が欠かせないことを挙げています。保証書の年数を確かめるのと同じくらい、この2点に時間をかけてください。
赤坂さくら歯科・矯正歯科の保証とメンテナンス
赤坂さくら歯科・矯正歯科は、赤坂駅4出口から徒歩30秒、朝7時半からの診療という通いやすさが特徴です。保証は、インプラント本体を10年、アバットメントを5年、上部構造を3年としています。
使用するのはノーベルバイオケア社とストローマン社の純正品です。世界で広く使われているメーカーを選んでいるのは、年数が経ったあとも交換部品が手に入り、修理という選択肢を残せるからです。保証の年数だけが長くても、部品が手に入らなければ直せません。
治療後は3か月から6か月に1回の定期メンテナンスをお願いしており、噛み合わせの調整やクリーニングを行っています。保証の適用条件や対象の範囲については、治療を始める前の説明のなかで具体的にお伝えしていますので、気になる点は遠慮なくお尋ねください。
よくある質問
保証期間が過ぎたあとにトラブルが起きたらどうなりますか
自費での対応になります。ただし上部構造のトラブルであれば、部分的な修復や研磨で済むこともあり、必ずしも作り直しになるとは限りません。まずは状態を確かめるところから始めてください。
保証を使えば費用は全額かからないのですか
医院によって異なります。全額が免除される場合もあれば、経過した年数に応じて一部を負担する場合もあります。赤坂さくら歯科・矯正歯科でも治療前の説明でお伝えしていますので、契約の前に確認しておいてください。
他の医院で入れたインプラントも診てもらえますか
状態を確認したうえでご相談を承ります。ただし他院で受けた治療の保証を当院が引き継ぐことはできず、費用は自費での対応になります。使われているメーカーが分かる資料があれば、お持ちください。
保証書はもらえますか
医院ごとの取り扱いになります。治療を受ける医院に、保証の内容が書面で残るかどうかを確認しておくと安心です。口頭の説明だけでは、数年後に条件の解釈が食い違うことがあります。
メンテナンスに通えない時期があると保証は切れますか
多くの医院では、定期的な通院が保証の条件になっています。仕事や体調で通えない時期がありそうなときは、放置せずに事前に相談してください。事情が分かっていれば、対応を検討できることもあります。
インプラントの保証で迷ったら赤坂さくら歯科・矯正歯科へ相談を
インプラントの保証は、人工歯根、アバットメント、上部構造という3つの部品にそれぞれ年数が設定されているのです。赤坂さくら歯科・矯正歯科では10年、5年、3年としています。
比べるときに見るべきなのは年数の長さではなく、何が対象になるのか、どんな条件がつくのか、どこで使えるのかという3点です。そして保証は起きたあとの備えであって、防ぐ力はありません。日々の清掃と定期的な通院、それに部品が長く供給されるメーカーを選ぶことが、結果として最も確実な備えになります。
「保証の内容がよく分からないまま契約してよいのか不安」「他院で入れたインプラントが心配」と迷う方も、まずは口のなかの状態を確かめてみてください。港区赤坂の赤坂さくら歯科・矯正歯科では、保証の範囲と条件を治療計画とあわせてご説明しています。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
参考文献
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症例写真
Zenyumの部分矯正で叢生と空隙を整え、矯正終了時に欠損している右上5番部分にノーベルバイオケア社のインプラントを埋入し、上部構造がセットされた後にリテーナー(保定装置)に移りました。
| 料金 | 埋入手術:33万円/アバットメント:5万5千円/上部構造(奥歯):18万7千円 矯正費用は別途かかります(すべて税込) |
|---|---|
| 年齢・性別 | 20代男性 |
| リスクと副作用 | 痛み、腫れ、内出血、感染、違和感、歯周病、虫歯 |



監修医師:土黒 さくら
- 略 歴
- 2014年 鹿児島大学歯学部 卒業
- 2014年 東京医科歯科大学 臨床研修歯科医
- 2015年 大型医療法人グループ歯科医院 勤務
- 2016年 大型医療法人グループ歯科医院 分院長就任
- 2018年 港区赤坂の歯科医院 勤務
- 2020年 赤坂さくら歯科・矯正歯科 開院
- 2023年 医療法人社団桜麗会設立 理事長就任
- 所属学会等
- ・日本口腔インプラント学会
- ・日本歯周病学会
- ・東京SJCD歯科スタディーグループ
- ・インビザライン 認定ドクター
- ・日本顕微鏡歯科学会
