記事は、赤坂さくら歯科・矯正歯科 院長・歯科医師 土黒さくらの監修のもと作成しています。
「歯ぎしりがあるとラミネートベニアはできない?」
「治療しても、歯ぎしりで割れてしまわないか心配」
ラミネートベニアを検討しているものの、歯ぎしりがあっても治療を受けられるのか、不安な方もいるでしょう。また、歯ぎしりをしているか分からず、治療後に割れたり外れたりしないか心配な方も少なくありません。
この記事では、歯ぎしりによるラミネートベニアへの影響や破損を防ぐ対策について解説します。
歯ぎしりがあってもラミネートベニアを受けられる可能性や、治療後の破損リスクを抑える方法が分かる内容です。歯ぎしりを理由に治療を迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
歯ぎしりがあってもラミネートベニアはできる?

歯ぎしりや食いしばりがあっても、必ずしもラミネートベニアが適応外になるわけではありません。
歯科医師が歯ぎしりの程度や噛み合わせ、歯の状態などを確認し、適応できるか判断します。
ただし、歯ぎしりが強い場合や、上下の前歯の先端同士が当たる切端咬合など、前歯に強い力がかかる噛み合わせでは慎重な判断が必要です。
ナイトガードなどで対策できる場合もあるため、自己判断せず、まずは歯科医師に相談しましょう。
歯ぎしりがラミネートベニアに与える影響
歯ぎしりや食いしばりで強い力が繰り返しかかると、ラミネートベニアや接着部分に負担がかかります。
特に歯ぎしりでは横方向の力が繰り返しかかるため、ラミネートベニアの割れや欠け、脱離につながりやすいのです。
実際に323枚のラミネートベニアを対象とした研究では、歯ぎしりのある患者で脱離・破折が多くみられたことが報告されています。
具体的には、確認された破折13件のうち8件、脱離29件のうち22件が歯ぎしりのある患者に生じており、あわせてマウスピース型装置(ナイトガード)の使用によって破折のリスクが下がることも示されています。
(参考:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4192563/)
歯ぎしりしているかを確認する方法
就寝中の歯ぎしりは無意識に行われるため、自分では気づいていないことがあります。
就寝中の歯ぎしりは、家族から指摘されて気づくことがあります。歯のすり減りや欠け、朝の顎のだるさ、頬や舌の歯の跡なども歯ぎしりのサインです。
ただし、これらの症状だけで有無や程度を判断するのは困難です。
歯科医院では噛み合わせや顎の状態から兆候を確認できるため、心当たりがある場合はラミネートベニアの治療前に歯科医師へ相談してみましょう。
歯ぎしりがある場合に使用するナイトガードとは

ナイトガードとは、主に就寝時に装着するマウスピース型の装置です。上下の歯が直接こすれ合うのを防ぎ、歯ぎしりや食いしばりによる力を分散させる役割があります。
ラミネートベニアを装着している場合は、特定の歯への力の集中を防ぎ、接着部分への負担を軽減する目的でも使用します。歯科医院で、歯並びや噛み合わせに合わせた作製が可能です。
歯ぎしりによる破損リスクを抑えるためにも、必要に応じてナイトガードの使用を検討しましょう。
ナイトガードを使用するメリット
ナイトガードを装着すると、歯ぎしりによる強い力が分散され、ラミネートベニアや接着部分への負担を軽減できます。
割れや欠け、脱離などのリスクを抑えられるほか、天然歯のすり減りや顎関節への負担軽減にもつながります。
ナイトガードのデメリット
ナイトガードを使用しても、ラミネートベニアの破損や脱離を完全に防げるわけではありません。また、使用を続けると摩耗や変形が生じることもあります。
そのため、装着後も定期的に歯科医院で状態を確認してもらいましょう。
そのほか、装着し始めは異物感や圧迫感を覚えることもあります。また、就寝中は唾液に触れ続けるため雑菌が繁殖しやすく、使用後の洗浄が必要です。
ナイトガードの使い方
ナイトガードは基本的に毎晩装着します。使用する期間は歯ぎしりの程度によって異なるため、歯科医師の指示に従って継続しましょう。
使用後は毎回洗浄します。熱湯は変形の原因になるため、水かぬるま湯で洗い、十分に乾燥させてから保管してください。
外れやすい、噛み合わせに違和感があるといった場合は、歯科医院で調整してもらいましょう。
また、ナイトガードを装着したまま飲食するのは避けてください。
ナイトガードの費用
ナイトガードの費用は、自由診療の場合で2〜5万円程度です。また、歯ぎしりや顎関節症の治療を目的とした保険診療の場合は3割負担で3千円〜6千円程度が目安です。
自由診療の場合でも、治療目的で作製したものは医療費控除の対象となることがあるため、領収書を保管しておきましょう。
ラミネートベニアとあわせて検討する場合は、必要性や費用について治療前に確認しておくと安心です。
医療費控除については「歯科治療費における医療費控除」をご覧ください。
ラミネートベニアの割れを防ぐための歯ぎしり対策
ナイトガードの使用に加えて、噛み合わせや日常生活にも注意することで、ラミネートベニアへの負担を抑えられます。
ここでは、ラミネートベニアの割れや脱離を防ぐためにできる対策を解説します。
噛み合わせを確認・調整する
噛み合わせのバランスが崩れていると、一部の歯に強い力が集中し、ラミネートベニアに負担がかかることがあります。
治療時に確認・調整するほか、装着後も違和感があれば早めに歯科医師へ相談しましょう。
硬いものを前歯で噛まない
氷や硬いせんべいなど、前歯で噛み切るタイプの硬い食べ物は、ラミネートベニアに瞬間的な強い力がかかり、割れや欠けの原因になります。
普段の食事を制限する必要はありません。ただし、硬いものは奥歯で噛む、あるいは小さくカットしてから口に運ぶなど、前歯に直接強い力がかからないよう工夫しましょう。
定期的にメンテナンスを受ける
治療後は定期的に歯科医院でメンテナンスを受けましょう。
小さな欠けやひび、接着部分のゆるみを早期に見つけられれば、大きな破損や脱離を防ぎやすくなります。
歯ぎしりがある場合は、ナイトガードや噛み合わせの状態もあわせて確認してもらいましょう。
毎日の歯磨きなどのセルフケアを続けることも、ラミネートベニアを長く使用するためには欠かせません。
日中の食いしばりに気をつける
食事や会話をしていないときは、上下の歯がわずかに離れているのが自然な状態です。
しかし、仕事やスマートフォンの操作などに集中していると、無意識に歯を接触させたり食いしばったりすることがあります。
日中も上下の歯が触れていないか意識し、気づいたときは力を抜いて歯を離すようにしましょう。
こうした癖はTCH(歯列接触癖)と呼ばれ、歯や顎に負担をかける原因となります。
ラミネートベニアに関するよくある質問
歯ぎしり以外でラミネートベニアが割れたり外れたりすることはありますか?
氷や硬いせんべいなどを前歯で噛んだり、噛み合わせで一部の歯に強い力がかかったりすると、割れや欠けにつながることがあります。
また、装着した歯がむし歯になると接着力が低下することもあるため、毎日の歯磨きや定期的なメンテナンスが大切です。
歯科医院で作るナイトガードと市販品はどう違いますか?
歯科医院のナイトガードは歯型をもとに一人ひとりの歯列に合わせて作製し、噛み合わせも調整できます。
市販品は手軽ですが歯列に十分適合しないことがあり、就寝中にずれたり一部の歯に負担が集中したりする可能性があります。
ナイトガードをつけるとラミネートベニアは割れなくなりますか?
ナイトガードは歯ぎしりによる力を分散させるものであり、破損を完全には防げません。噛み合わせの確認や定期的なメンテナンスもあわせて受けましょう。
ラミネートベニアが割れたり外れたりしたらどうなりますか?
状態によっては再装着できることもありますが、大きく割れている場合は作り直しが必要です。
外れたラミネートベニアは捨てずに保管し、自分で接着し直さず早めに歯科医院を受診しましょう。
ナイトガードをつけたまま眠っても大丈夫ですか?
ナイトガードは歯列を覆うだけの装置で喉の奥をふさぐ構造ではないため、装着したまま眠っても呼吸に大きな影響はありません。
歯列に合わせて作製されているため、睡眠中に外れる心配も少ないといえます。
歯ぎしりがあるとラミネートベニアの寿命は短くなりますか?
繰り返し強い力がかかるため、割れや脱離が起こりやすくなり、再治療が早まる可能性があります。
ただし寿命は歯ぎしりだけでなく、噛み合わせやむし歯の有無、メンテナンス状況にも左右されます。
歯ぎしりがある場合はほかの治療法のほうが向いていますか?
ほかの治療法には、ダイレクトボンディングやセラミッククラウンなどがあります。
ただし、いずれも歯ぎしりによって摩耗や破損が起こる可能性があり、治療法を変えるだけで影響を避けられるわけではありません。
歯ぎしりの程度や噛み合わせを踏まえ、歯科医師に相談しましょう。
ダイレクトボンディングやセラミッククラウンなど、ほかの審美治療については「歯医者で行う審美歯科とは?おもな治療内容を5つ紹介」をご覧ください。
関連記事歯医者で行う審美歯科とは?おもな治療内容を5つ紹介ホワイトニングやセラミック、ダイレクトボンディングなど、審美歯科で行う代表的な治療をまとめています。
矯正治療で噛み合わせを整えると歯ぎしりは改善しますか?
噛み合わせの乱れが歯ぎしりに関係している場合は、矯正治療で噛み合わせを整えることで改善が期待できます。
歯ぎしりが改善すれば、その後にラミネートベニアを受けられる可能性があります。
ただし、歯ぎしりには噛み合わせ以外の要因も関わるため、矯正治療で改善できるかは診査・診断が必要です。
この記事のまとめ
歯ぎしりや食いしばりがあっても、必ずしもラミネートベニアが適応外になるわけではありません。
ただし、強い力が繰り返しかかることで、割れや欠け、脱離などのリスクが高くなる可能性があります。
破損を防ぐには、対策を組み合わせながら、治療後もセルフケアやメンテナンスを続けることが大切です。
歯ぎしりの程度や噛み合わせ、歯の状態によって適応は異なります。「歯ぎしりがあるからラミネートベニアはできない」と自己判断せず、まずは歯科医師に相談してみてください。
ラミネートベニアは赤坂さくら歯科・矯正歯科にご相談ください
赤坂さくら歯科・矯正歯科では、天然歯への負担をできるだけ抑えるため、削らないラミネートベニア(ノンプレップベニア)を提供しています。
治療前には歯や噛み合わせの状態を詳しく確認し、歯ぎしりや食いしばりがある方もラミネートベニアが適応できるか診査します。必要に応じてナイトガードなど、負担を抑える方法のご提案も可能です。
以下は、歯を全く削らないラミネートベニア(サクラミネートベニア)で、上の前歯8本の色や形を整えた症例です。前歯のすき間が目立っていましたが、装着によりすき間を改善するとともに、歯の色や形を整えています。

※効果・結果には個人差があります。
【症例の詳細】
上の2枚は、かみ合わせた状態で治療前と治療後を比べたものです。
ラミネートベニアでは、装着前に上下の前歯がどこで当たるかを必ず確認します。
下の前歯の先端が上の前歯の裏側を強くこすっていると、その力がセラミックの縁に集中し、欠けや脱離の原因になるためです。
このケースでは前歯の当たり方に無理がなく、装着後も強く当たる部分が残っていないかを確認したうえで調整しています。
歯をほとんど削らない方法のため、もともとのかみ合わせを大きく変えずに仕上げられる点も利点です。
なお、歯ぎしりや食いしばりの自覚がある方には、装着後にナイトガードを併用して力を分散させる対策をご提案しています。
装着して終わりではなく、3〜6カ月ごとに縁の状態やかみ合わせを見直すことが、長く使ううえで欠かせません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 治療 | ラミネートベニア(サクラミネートベニア) |
| 年齢・性別 | 30代女性 |
| 治療費用 | 144万円(ラミネートベニア1本18万円×8本) |
| 治療期間 | 2週間 |
| リスク | 知覚過敏、剥がれや破損 |
※症例の治療費用は治療当時のものです。現在の料金とは異なる場合があります。
歯並びや噛み合わせが気になる方は、インビザラインなどの矯正治療とあわせたご相談も可能です。
以下は、インビザライン矯正とラミネートベニアを組み合わせた症例です。歯並びだけでなく歯の大きさや形にばらつきが見られましたが、矯正で歯並びを整えたあと、ラミネートベニアで前歯の色や形を整えています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 治療 | インビザライン矯正・ラミネートベニア |
| 年齢・性別 | 20代女性 |
| 治療費用 | 117万円(インビザライン矯正99万円・ラミネートベニア1本18万円) |
| 治療期間 | 2年 |
| リスク | 痛みや違和感、歯周病や虫歯、後戻り、知覚過敏、剥がれや破損 |
※効果・結果には個人差があります。
※症例の治療費用は治療当時のものです。現在の料金とは異なる場合があります。
このように、お口の状態や希望に合わせて治療方法をご提案します。
デンタルローンもご利用いただけるため、月々1〜2万円程度の分割払いで治療を受けることも可能です。ナイトガードが必要な場合は、費用についても事前にご案内します。
赤坂駅から徒歩30秒、平日は朝7時30分から診療しているため、出勤前や仕事帰りにも通院しやすい環境です。Web予約は24時間受付のほか、LINE・お電話でも承っています。
「歯ぎしりがあってもラミネートベニアを受けられるか知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。

監修医師:土黒 さくら
- 略 歴
- 2014年 鹿児島大学歯学部 卒業
- 2014年 東京医科歯科大学 臨床研修歯科医
- 2015年 大型医療法人グループ歯科医院 勤務
- 2016年 大型医療法人グループ歯科医院 分院長就任
- 2018年 港区赤坂の歯科医院 勤務
- 2020年 赤坂さくら歯科・矯正歯科 開院
- 2023年 医療法人社団桜麗会設立 理事長就任
- 所属学会等
- ・日本口腔インプラント学会
- ・日本歯周病学会
- ・東京SJCD歯科スタディーグループ
- ・インビザライン 認定ドクター
- ・日本顕微鏡歯科学会
