インプラントについて調べ始めると、「ワンピース」「ツーピース」「ジルコニア」「オールオンフォー」など、たくさんの種類の名前が出てきて、かえって混乱してしまう方も多いでしょう。けれども、種類の多さに圧倒される必要はありません。インプラントの種類は、いくつかの軸に分けて整理すると、驚くほどすっきり理解できます。
この記事では、港区赤坂で朝7時半から診療している赤坂さくら歯科・矯正歯科が、インプラントの種類を本体・被せ物・治療法の3つの軸で整理し、それぞれの違いと、迷わないための選び方までを、臨床の視点を交えてお伝えします。
目次
インプラントの「種類」は3つの軸で整理できる

はじめに全体像をお伝えしましょう。インプラントの種類は、大きく三つの軸に分けて考えると分かりやすくなります。一つ目が、顎の骨に埋め込む本体、つまりインプラント体の種類です。二つ目が、その上に取り付ける被せ物、つまり上部構造の素材になります。そして三つ目が、どのように手術を進めるかという治療法、いわゆる術式の種類です。
この三つを混ぜて考えると、種類が無数にあるように感じてしまいます。反対に、軸ごとに分けて捉えれば、それぞれの選択肢は限られてきます。まずは、そもそもインプラントがどんなパーツでできているのかを確認していきましょう。
インプラントは3つのパーツでできている

インプラントは、一本の歯のように見えて、実は三つのパーツを組み合わせて作られています。この構造を知っておくと、種類の話がぐっと理解しやすくなります。(日本歯科医師会 テーマパーク8020)
インプラント体(人工歯根)
インプラント体は、顎の骨に埋め込む人工の歯根で、フィクスチャとも呼ばれます。多くはチタンやチタン合金で作られており、骨としっかり結合して土台の役割を果たしているのです。この結合の強さが、インプラント全体の安定を支えています。
アバットメント(連結部)
アバットメントは、インプラント体と被せ物をつなぐ中間の部品です。この部品によって、噛み合わせの角度や高さを調整します。素材はチタンのほか、審美性を重視する場合や金属アレルギーが心配な場合には、白いジルコニアが使われることもあるのです。
上部構造(人工歯)
上部構造は、外から見える人工の歯の部分で、クラウンとも呼ばれます。実際に食べ物を噛み、見た目や発音にも関わる大切なパーツです。セラミックやジルコニアなど、天然歯に近い素材を選べるため、周りの歯と自然になじませられます。
インプラント体(人工歯根)の種類
まず本体であるインプラント体の種類から見ていきましょう。ここは専門的な内容が多い部分ですが、要点を押さえておくと安心につながります。
ワンピースとツーピース
インプラント体には、アバットメントと一体になったワンピースタイプと、アバットメントをネジで連結するツーピースタイプがあるのです。ワンピースは構造がシンプルで手術が一度で済みやすい反面、骨が十分にあるケースに向いています。現在の主流はツーピースで、骨を増やす処置をともなうケースなど、幅広い状況に対応しやすいのが特徴です。形状としては、ネジのように骨に固定されるスクリュータイプが、初期の安定を得やすいことから多く使われています。
素材と表面処理、メーカー
インプラント体の素材は、生体になじみやすく骨と結合しやすいチタンが主流です。金属アレルギーが心配な方には、白いジルコニアが選ばれることもあります。さらに、骨との結合をより速く確実にするために、本体の表面には細かな加工が施されているのです。国内では二十数種類のインプラントが流通しており、世界的に実績のあるメーカーほど、構造や表面の精度が高い傾向にあります。こうした本体の細かな仕様は、骨の状態や部位に合わせて歯科医師が選ぶ領域だといえるでしょう。
上部構造(被せ物)の素材の種類

ここからは、患者さんご自身の希望が反映されやすい上部構造の素材について見ていきます。見た目や噛み心地に直結する部分なので、しっかり理解しておきたいところです。
代表的な素材には、いくつかの選択肢があります。ジルコニアは、金属を使わないため金属アレルギーの心配がなく、強度が高いことから、強い力がかかる奥歯にも向いています。審美性を最優先したい前歯には、透明感のあるセラミックを表面に用いたタイプが自然な仕上がりになるでしょう。金属のフレームにセラミックを焼き付けたメタルボンドは、強度と見た目のバランスがよい一方、歯茎の境目が黒ずむことがあります。費用を抑えたい場合のハイブリッドセラミックは、経年で変色しやすい点に注意が必要です。
大切なのは、素材を部位で選ぶという考え方です。前歯なら見た目の自然さ、奥歯なら噛む力に耐える強度と、求められる性質が変わります。どれか一つが絶対に優れているというより、失った歯の場所と目的に合わせて選ぶことが、満足のいく結果につながります。
治療法(術式)の種類
三つ目の軸が、手術の進め方である治療法の種類です。骨の状態や失った歯の本数によって、適した方法が変わってきます。
1回法と2回法
1回法は、外科手術を一度だけ行う方法です。歯茎を切開してインプラント体を埋め込み、その一部を歯茎から出した状態で治癒を待ちます。2回法は、一次手術でインプラント体を歯茎の中に完全に隠し、結合を待ってから二次手術で頭を出す方法になります。骨を増やす処置が必要なケースや、より確実に結合させたいケースで選ばれることが多いでしょう。
即日インプラントとオールオンフォー
即日インプラントは、抜歯からインプラントの埋入、仮歯の装着までを1日で行う方法で、歯がない期間が生じにくいのが利点です。オールオンフォーは、片方の顎に最小4本のインプラントを埋めて、全体の人工歯を支える方法になります。多くの歯を一度に補える一方で、高い技術が求められ、適用できるケースが限られます。いずれも骨の状態などによって向き不向きがあるため、精密な診断が欠かせません。
「患者が選ぶ種類」と「歯科医師が選ぶ種類」

種類選びで迷わないための大切な視点をお伝えします。実は、これほど多くの種類があっても、患者さんご自身が主に選ぶのは、そのうちの一部にすぎません。
患者さんが選ぶ余地が大きいのは、上部構造の素材と、術式に対する希望の部分です。前歯を自然に見せたい、奥歯でしっかり噛みたい、できるだけ短期間で終えたい、といった目的を伝えることが、ここでの役割になります。一方で、インプラント体のタイプや表面処理、メーカーの選定といった細かな仕様は、骨の量や部位、全身の状態をふまえて歯科医師が判断する領域です。つまり、種類の名前をすべて覚える必要はなく、自分の希望と口の状態を正しく伝えることのほうが、はるかに大切だといえます。種類の多さに惑わされず、目的から逆算して相談する姿勢が、納得のいく治療への近道になるでしょう。
種類選びで失敗しないための3つの視点
最後に、種類を選ぶうえで後悔しないために、押さえておきたい視点を3つに整理します。
部位に合わせて素材を選ぶ
先ほど触れたとおり、前歯は審美性、奥歯は強度と、部位によって求められる性質が異なります。見た目だけ、あるいは強度だけで選ぶのではなく、その歯の役割に合った素材を選ぶことが基本なのです。
安さだけで決めない
費用は誰にとっても気になるところですが、安さだけを基準にすると、耐久性や見た目で後悔することもあります。素材や術式ごとの特徴を理解したうえで、長く使う視点で選ぶことが大切です。
実績あるメーカーと専門医を選ぶ
インプラントは、使うメーカーの品質や、担当する歯科医師の技術によって結果が左右されます。世界的に実績のあるメーカーを使っているか、専門的な資格を持つ歯科医師が在籍しているか、CTなどの設備が整っているかを確認しておくと安心です。
赤坂さくら歯科・矯正歯科のインプラント
赤坂さくら歯科・矯正歯科は、赤坂駅から徒歩30秒、朝7時半からの診療という通いやすさが特徴です。種類が多くて迷いやすいインプラントだからこそ、一人ひとりの状態と希望に合わせた選択をご提案しています。
当院で使用するインプラントは、世界的に実績のあるノーベルバイオケア社とストローマン社の純正品です。手術法は、即日インプラント、1回法、2回法の三つから、骨の状態に合わせて選べます。骨が足りない方には骨再生治療や骨造成で対応するのです。上部構造は、前歯なら見た目の自然さ、奥歯なら噛む力に耐える強度を重視し、部位に合わせてご用意します。費用の目安として、奥歯のクラウンは16万5千円、前歯のクラウンは22万円です。診断にはデジタル歯科用CTを用い、担当するのは日本口腔インプラント学会の専門医でEAO認定医でもある歯科医師です。緊張しやすい方には、麻酔を専門に担当する歯科医師による静脈内鎮静法も用意しています。
インプラントの相談は赤坂さくら歯科・矯正歯科へ
インプラントの種類は、本体(インプラント体)、被せ物(上部構造)、治療法(術式)という三つの軸で整理すると、すっきり理解できます。名前の多さに圧倒されそうになっても、患者さんご自身が主に選ぶのは、被せ物の素材と術式への希望の部分です。本体やメーカーの細かな選定は、骨や部位に合わせて歯科医師が担う領域なので、すべてを覚える必要はありません。
自分にはどの種類が合っているのか、費用はどのくらいかかるのかは、口の状態や希望によって一人ひとり異なります。まずは検査を受けて、納得できるまで相談することが、後悔しない選択につながるのです。港区赤坂の赤坂さくら歯科・矯正歯科では、精密なCT診断をもとに、その方に合った種類と治療計画をていねいにお伝えしています。気になる症状やご質問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
関連記事

監修医師:土黒 さくら
- 略 歴
- 2014年 鹿児島大学歯学部 卒業
- 2014年 東京医科歯科大学 臨床研修歯科医
- 2015年 大型医療法人グループ歯科医院 勤務
- 2016年 大型医療法人グループ歯科医院 分院長就任
- 2018年 港区赤坂の歯科医院 勤務
- 2020年 赤坂さくら歯科・矯正歯科 開院
- 2023年 医療法人社団桜麗会設立 理事長就任
- 所属学会等
- ・日本口腔インプラント学会
- ・日本歯周病学会
- ・東京SJCD歯科スタディーグループ
- ・インビザライン 認定ドクター
- ・日本顕微鏡歯科学会
