エナメル質は歯の一番外側を覆っている目に見える表面の硬い層のことで、人間の体の中でもっとも固い組織といわれています。
エナメル質に穴が開いてしまうと、基本的に元に戻ることはないといわれています。
しかし、エナメル質は、酸で少し溶かされた状態の時に再石灰化することでエナメル質を修復し、虫歯にならないようにする作用があります。
今回の記事では、エナメル質の再石灰化を促すために生活の中でできることを解説していきます。
再石灰化を促進して虫歯を予防し、いつまでも健康的な歯を保ちましょう。
目次
エナメル質は再生しない
エナメル質は水晶と同じくらいの硬度があり、個人差はありますが2〜3㎜の厚さがあります。
エナメル質の中にある象牙質や歯髄は、熱さや冷たさ、酸性の食品などの刺激に敏感なので、それらの刺激から内部の層を保護する役割を果たしています。
エナメル質に生きた細胞は存在せず、虫歯によって穴が開いてしまったり食いしばりや歯ぎしりで欠けてしまったときには、エナメル質を再生する能力はありません。
エナメル質は再生しないが修復できる
虫歯菌が出す酸や、食べ物や飲み物に含まれる酸によりエナメル質が溶けてしまう状態を「脱灰」といいます。
脱灰した歯は、フッ素を塗布することや唾液に含まれている成分が溶けた歯のエナメル質の中に戻ることで、歯のエナメル質が修復される作用がはたらきます。これを「再石灰化」といいます。
軽度の脱灰であれば再石灰化で修復されるため、初期虫歯の段階であれば歯を削ることなく自然治癒ができるのです。
ただし、再石灰化には限度があり、穴が開いてしまうような大きな虫歯や歯がかけてしまうような場合には再石灰化は作用しないので注意が必要です。
エナメル質の再石灰化を促すために
エナメル質の再石灰化を促すことで、虫歯になりにくく健康的な歯を維持することが出来ます。
再石灰化を促すために私たちができることを解説していきます。
フッ素塗布
フッ素を歯に塗布することで、再石灰化を促進させることができるほか、虫歯菌の働きを抑制して酸を作らせなくすることもできます。
また、歯にフッ素を塗布すると、エナメル質の成分とフッ素が結びついてより丈夫な歯質になります。
歯科クリニックで定期的にフッ素塗布を行いましょう。
キシリトールを摂る
キシリトールには、再石灰化の促進、歯垢中の酸を中和させる、ミュータンス菌の代謝を邪魔するなどの効果があります。
キシリトール入りのガムを噛むことで唾液の分泌も促し、口の中を虫歯になりにくい状態にします。
唾液を分泌させる
唾液に含まれているカルシウムイオンとリン酸イオンが、溶けた歯のエナメル質の中に戻ることで再石灰化が促進されます。
食事をよく噛んで食べる、口の体操やマッサージをするなどの工夫で唾液の分泌を促しましょう。
エナメル質を守るために
歯のエナメル質を守るためには、再石灰化を促進させる行動とともに脱灰を防ぐために生活習慣で気を付けるとよいこともあります。
食事内容に気を付ける
密で丈夫なエナメル質を作るためには、カルシウムとリン、そしてそれらを吸収しやすくするビタミンAが必要です。
小魚・牛乳・バター・人参・ホウレン草などを多く取り入れるように心がけましょう。
天然のフッ素も含まれており、エナメル質を守ってくれるイワシやえび、海藻類も積極的に取るとよいです。
食事の間隔
食事の後は食べ物・飲み物の影響で口の中が酸性に傾き、その後唾液の作用で中性に戻っていきます。
食事の間隔をあけずに、こまめに食事をとったり間食をいれてダラダラ食べをすることで、口の中が酸性になっている時間が長くなってしまうと脱灰が進みますのでやめましょう。
歯垢をとる
歯に歯垢がついたままになっていると、歯垢の中で虫歯菌が増え、酸を出しエナメル質を傷つけます。
丁寧なブラッシングで歯垢を残さないことも大切ですが、定期的に歯科クリニックでのメンテナンスで歯垢を取ることも大切です。
健康的な歯を作るために
基本的にエナメル質に再生能力はないため、穴が開いてしまったり欠けてしまったエナメル質は治療をしなければなりません。
ただし、再石灰化することで酸に溶かされたエナメル質を修復することができるので、再石灰化を促す以下のような生活習慣は、健康的な歯を維持するために大切です。
- 歯科クリニックで定期的にフッ素塗布をする
- キシリトールを摂る
- 唾液の分泌を促す
- カルシウムやビタミンを多く摂る
- 食事の間隔を空ける
- 歯科クリニックで歯垢をとる
健康的な歯を維持するため、定期的に歯科クリニックでメンテナンスすることは大切です。
赤坂さくら歯科クリニックでは、定期的なメンテナンスのほか歯科ドックや唾液検査などの各種検査にも対応しており、予防歯科に力を入れています。
専用器具を用いたプロフェッショナルケアを受けることで、健康的な歯を維持しましょう。
より詳しくは、赤坂さくら歯科クリニックにてご相談・ご来院をお待ちしております。