インビザラインのゴムかけは、上下の歯に小さなゴムを引っかけて、マウスピースだけでは動かしにくい噛み合わせを整えるための処置です。
装着時間はマウスピースと同じく1日20〜22時間が目安です。
続ける期間は数か月のことが多いものの、歯並びによって大きく変わります。
付け始めは痛みや話しにくさを感じやすいですが、多くは数日から1週間ほどで慣れていきます。
反対に、つけ忘れやサボりが続くと噛み合わせが計画どおりに動かず、治療が長引く原因になります。
目次
インビザラインのゴムかけとは
ゴムかけとは、上の歯と下の歯のあいだに医療用の小さなゴム(エラスティック、顎間ゴム)をかけ、ゴムが縮む力で歯や噛み合わせを動かす方法です。

ゴムかけが必要になる理由と効果
インビザラインのマウスピースは、1枚ずつ形を少しずつ変えながら、歯並びの列の中で歯を動かしていく装置です。
一方で、上の歯並びと下の歯並びの前後や上下の位置関係を変えるには、上下の歯をつないで引っ張る力が必要になります。
ゴムかけはその力を補う方法で、噛み合わせの前後・上下のずれを整えたり、仕上げで上下の歯を密着させたりする役割があります。
ゴムをかける「ボタン」と「切れ込み」
ゴムをかける場所は、歯の表面に接着する小さな突起(ボタン)か、マウスピースの縁に入れたフック状の切れ込みのどちらかです。
ボタンは、マウスピースのつかむ力を高めるために歯に付ける「アタッチメント」と似ていますが、ゴムを引っかけるための別の突起です。
アタッチメントの役割や取れたときの対応については「インビザラインのアタッチメント|つける理由と知っておきたい基礎知識」をご覧ください。
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ゴムかけが必要ない人もいる
インビザライン治療を受けた人の全員がゴムかけをするわけではありません。
前歯のがたつきだけを整える部分矯正など、上下の噛み合わせの位置を変えなくてよい場合は、ゴムを使わずに終わることもあります。
自分の歯並びでゴムかけが必要になるかは、精密検査と治療計画の説明の中で確認できます。
ゴムかけの種類と目的
ゴムかけには、かける位置と引っ張る方向の違いでいくつかの種類があり、歯並びの悩みに合わせて使い分けます。
| 種類 | かけ方の例 | 主に使う歯並び |
|---|---|---|
| Ⅱ級ゴム | 上の犬歯付近から下の奥歯へ斜めにかける | 出っ歯(上顎前突)、下あごが後ろに下がった噛み合わせ |
| Ⅲ級ゴム | 下の犬歯付近から上の奥歯へ斜めにかける | 受け口(下顎前突) |
| 垂直ゴム | 上下の歯を縦方向につなぐ | 前歯が閉じない開咬、噛み合わせを密着させる仕上げ |
| 交叉ゴム | 上の歯の内側と下の歯の外側など、歯列をまたいでかける | 上下の歯が左右で逆に噛む交叉咬合、鋏状咬合 |
どのゴムをどこにかけるかは、検査結果をもとに担当医が決めます。
自分の噛み合わせがどのタイプに当たるかは、矯正相談で歯並びを見ながらお伝えできます。
ゴムかけは1日何時間?装着時間と交換の目安
ゴムかけは、マウスピースと同じく1日20〜22時間の装着が目安です。
食事と歯磨きのとき以外は、マウスピースとゴムをつけたまま過ごすイメージです。
夜間だけなど、もっと短い時間で指示されることもあります。
食事のときはゴムも外す
食事のときは、ゴムを外してからマウスピースを外します。
ゴムをつけたまま食べると、ゴムが切れたり、噛む動きでボタンに負担がかかったりする原因になります。
食後は歯磨きをしてマウスピースを戻し、そのあとにゴムをかけ直す流れが基本です。
外しているあいだのマウスピースは、ティッシュに包まずケースに入れておくと紛失や変形を防げます。
ケースの選び方や洗い方については「マウスピースケースの選び方と洗い方|インビザラインのケースはもらえる?100均で代用できる?」をご覧ください。
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ゴムは毎日新しいものに交換する
ゴムは使っているうちに伸びて、引っ張る力が弱くなっていきます。
そのため、少なくとも1日1回は新しいゴムに交換し、食事のたびに替えるよう指示されることもあります。
左右の片方が切れたときは、引っ張る力の左右差が出ないよう、両側とも新しいゴムに替えます。
外出先で切れても困らないよう、予備のゴムを持ち歩いておくと安心です。
ゴムかけはいつからいつまで続く?
ゴムかけを始める時期と終わる時期は、治療計画と歯の動き方によって一人ひとり異なります。
始まる時期は治療の中盤からが多い
ゴムかけは、歯の並びがある程度そろってきた治療の中盤から後半に始まることが多いです。
出っ歯や受け口の程度が大きい場合などは、治療の早い段階から使うこともあります。
続く期間は数か月が目安だが幅がある
ゴムかけの期間は、数か月程度で終わるケースが多い一方、噛み合わせを大きく動かす場合は1年以上続くこともあります。
終わる時期は、通院のたびに上下の噛み合わせを確認したうえで担当医が判断します。
見た目の歯並びが整ってきても、噛み合わせが仕上がる前に自己判断でやめると、計画どおりの位置に届かないことがあります。
治療全体の期間の目安や短くするための工夫については「インビザラインの治療期間は何年かかるの?短縮方法も詳しく解説」をご覧ください。
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ゴムかけのやり方とうまくかけるコツ
ゴムのかけ方は最初の装着日に歯科医院で練習し、その後は自宅で毎日自分でかけていきます。

基本の手順
まず手を洗い、マウスピースをしっかりはめてからゴムをかけます。
鏡を見ながら、ゴムの片側を上の歯のボタンか切れ込みにかけ、もう片側を伸ばして下の歯の指定の位置にかけます。
奥歯側が見えにくいときは、エラスティックホルダーという専用の器具を使うとかけやすくなります。
うまくかけられないとき
慣れるまでは1回に数分かかることもありますが、毎日続けるうちに短い時間でかけられるようになっていきます。
片側ずつ鏡で確認しながらかける、奥歯側から先にかけるなど、自分がやりやすい順番を決めておくと迷いにくくなります。
すぐに外れてしまう、かける位置が分からなくなったという場合は、次回の通院を待たずにご相談ください。
ゴムかけが痛いときの対処法
ゴムかけを始めた直後や新しいゴムに替えた直後は、歯が押される痛みや浮いたような感覚が出ることがあります。
痛みの原因と続く期間
痛みの主な原因は、ゴムの力で歯が動き始めるときにかかる圧力です。
付け始めの数日がいちばん強く、1週間ほどで慣れていくことがほとんどです。
ボタンが頬の内側にこすれて口内炎ができ、その痛みが続くこともあります。
痛いときに自宅でできること
痛みが強い時期は、うどんやおかゆなど、あまり噛まずに食べられるものを選ぶと楽になります。
ボタンが頬や唇に当たる場合は、矯正用のワックスでボタンを覆うと刺激を和らげられます。
痛み止めは、使ってよい薬をあらかじめ医院に聞いておくと、痛みが出たときに迷わずに済みます。
痛いからといってゴムを外す時間を自己判断で増やすと、歯が動かずに痛みの時期が長引くことにもつながります。
医院に相談したほうがよい痛み
1週間以上たっても痛みが引かない、日に日に強くなる、特定の1本だけが強く痛むといった場合は、ゴムのかけ方やかかる力が合っていない可能性があります。
口内炎が大きくなって食事がとりにくいときも、ボタンの角を整えるなどの対応ができる場合があるため、早めに相談してください。
インビザライン治療全体の痛みの原因と対処法については「インビザラインは痛いの?痛みを感じるケースと痛みを軽減させる方法について解説」をご覧ください。
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ゴムかけをサボった・つけ忘れたときはどうなる?
ゴムかけは毎日の積み重ねで噛み合わせを動かしていくため、サボった日が続くと治療の進み方に影響が出ます。
サボると起こりやすいこと
ゴムをかけない時間が長いと、上下の噛み合わせが計画どおりに動かず、次のマウスピースが歯に合わなくなることがあります。
マウスピースが浮いたまま使い続けると歯の動きがさらにずれていくため、マウスピースを作り直すことになる場合もあります。
その結果、治療期間やゴムかけの期間そのものが長くなりやすくなります。
マウスピースが浮いてはまらないときの原因と対処は「インビザラインで奥歯がパカパカ浮いてはまらない!原因と解決策を解説」をご覧ください。
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つけ忘れに気づいたときの対処
つけ忘れに気づいたら、その時点ですぐにゴムをかけ直してください。
忘れた分を取り戻そうとして、ゴムを2本重ねてかけるなど自己判断で力を強くするのは避けてください。
数日つけられなかった、マウスピースが浮いてはまりにくくなったという場合は、つけていなかった期間をそのまま伝えていただくと、計画を調整しやすくなります。
つけ忘れを防ぐ工夫
食後の歯磨きとマウスピースの装着、ゴムかけまでを一続きの習慣にすると、かけ忘れが起きにくくなります。
スマートフォンのリマインダーを食後の時間に合わせて設定しておくと、外食の後のかけ忘れも防ぎやすくなります。
それでもつけ忘れが続くときは、生活リズムに合ったゴムかけのタイミングを通院の際に一緒に考えます。
マウスピースの装着時間を守ることがなぜ大切なのかは、院長の土黒さくらが動画でもお話ししています。
ボタンが取れた・ゴムが切れたときの対応
治療中は、ゴムをかけるためのボタンが歯から外れることもあります。
ボタンが取れるとその場所にゴムをかけられなくなるため、自分で付け直そうとせず、医院に連絡してください。
付け直すまでの過ごし方は、どの歯のボタンが取れたかで変わるので、連絡の際にお伝えします。
ゴムが切れただけであれば、新しいゴムでかけ直せば問題ありません。
よくある質問
インビザラインのゴムかけについて、よくいただく質問にお答えします。
ゴムかけをしていると周りから目立ちますか?
ゴムは小さく、透明や歯に近い色のものも多いため、口を大きく開けなければ気づかれにくいことがほとんどです。
ゴムかけ中は話しにくくなりますか?
付け始めは口の動きが制限されて、話しにくさを感じることがあります。
使い続けるうちに口の動きが慣れ、会話への影響は小さくなっていくことがほとんどです。
あくびや大きく口を開けたときにゴムは大丈夫ですか?
大きく口を開けるとゴムが外れることがありますが、外れたらその場でかけ直せば問題ありません。
ゴムかけは夜だけでも効果がありますか?
夜間だけで十分な計画もありますが、多くは日中も含めて長い時間つけることを前提に計画されています。
どちらの計画かは、ゴムかけを始めるときの説明で確かめられます。
カウンセリングだけでも受けられますか?
はい、当院の矯正の初診相談は無料で、カウンセリングだけのご来院も受け付けています。
ゴムかけが必要になりそうかなど気になる点をお聞きしたうえで、治療の選択肢をご説明します。
当日に治療を無理にお勧めすることはありません。
まとめ
インビザラインのゴムかけは、マウスピースだけでは動かしにくい噛み合わせの前後・上下のずれを整えるための処置です。
装着時間は1日20〜22時間が目安で、いつ終えるかは噛み合わせの仕上がりを見て担当医が判断します。
付け始めの痛みは数日から1週間ほどで慣れることが多く、つけ忘れたときは気づいた時点でかけ直してください。
インビザラインは赤坂さくら歯科・矯正歯科にご相談ください
ゴムかけの種類や時期、期間は、噛み合わせの診断をもとにした治療計画で決まります。
赤坂さくら歯科・矯正歯科には日本矯正歯科学会 認定医が在籍しており、噛み合わせまで含めた診断のうえでインビザライン治療の計画を立てています。
歯型は3Dスキャナー「iTero」で採取し、そのデータをもとにクリンチェックで歯の動きを3Dでシミュレーションして、治療計画を事前に確認していただけます。
ゴムをかける位置や時間は、通院時に噛み合わせを見ながら担当医が決めます。
当院のインビザラインは、エクスプレスが片顎178,000円・両顎264,000円、ライトが418,000円、モデレートが770,000円、コンプリヘンシブが1,045,000円(いずれも税込)で、別途検査診断料55,000円がかかります。
治療期間は3〜24か月、通院は2〜3か月に1回が目安です(歯並びにより異なります)。
そのほかの矯正の料金については「料金表」をご覧ください。
赤坂駅4番出口から徒歩30秒の場所にあり、平日は朝7時30分から診療しているため、出勤前の通院にも対応しています。
インビザラインのうち、歯列全体を動かすコンプリヘンシブで治療した当院の症例をご紹介します。

※効果・結果には個人差があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 治療内容 | インビザライン・コンプリヘンシブ(マウスピース矯正・全体矯正) |
| 年齢・性別 | 20代女性 |
| 治療費用 | 990,000円 |
| リスク・副作用 | 痛みや違和感、むし歯、歯肉炎 |
※症例の治療費用は治療当時のものです。
現在の料金とは異なる場合があります(現在は1,045,000円・税込)。
上の歯列にガタつき(叢生)が見られた症例です。
インビザライン・コンプリヘンシブで歯列全体を動かし、上の歯列がなめらかなアーチ状に整いました。
ほかの症例は「インビザライン・コンプリヘンシブの症例」でご覧いただけます。
ゴムかけの時間やつけ忘れのこと、自分の歯並びにゴムかけが必要かどうかなど、確認したいだけでも構いません。
赤坂さくら歯科・矯正歯科では無料カウンセリングも受け付けており、ご予約はお電話または公式サイトから可能です。

監修医師:土黒 さくら
- 略 歴
- 2014年 鹿児島大学歯学部 卒業
- 2014年 東京医科歯科大学 臨床研修歯科医
- 2015年 大型医療法人グループ歯科医院 勤務
- 2016年 大型医療法人グループ歯科医院 分院長就任
- 2018年 港区赤坂の歯科医院 勤務
- 2020年 赤坂さくら歯科・矯正歯科 開院
- 2023年 医療法人社団桜麗会設立 理事長就任
- 所属学会等
- ・日本口腔インプラント学会
- ・日本歯周病学会
- ・東京SJCD歯科スタディーグループ
- ・インビザライン 認定ドクター
- ・日本顕微鏡歯科学会
