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医師監修コラム

歯髄再生前の根管治療は保険でできる?費用を抑えて歯髄移植を受ける方法

「歯の神経を抜いた後、この歯は本当に大丈夫なのだろうか…」

そんな不安を抱えている方に注目されているのが歯髄再生治療です。

しかし、自由診療となるため費用面での懸念から治療をためらう方も少なくありません。

特に多いのが、「歯髄移植の前段階の根管治療だけでも保険適用で受けられないか」という質問です。

本記事では、歯髄再生治療における根管治療の重要性、保険診療との違い、そして費用を抑えながら質の高い治療を受けるために知っておくべきポイントを専門的視点から解説します。


歯髄再生治療とは?従来の根管治療との違い

根管治療で洗浄された歯牙
歯髄再生治療は綺麗にお掃除した根管に親知らずや乳歯から取った歯髄幹細胞や象牙質を移植し神経や象牙質を復活させる先進的な治療法です。

従来の根管治療(歯内療法)では、神経を取り除いた後は詰め物で封鎖するのみでした。

しかし歯髄再生では、血管や神経組織の再形成を促すことで、歯に再び栄養が行き渡る状態を目指します。

つまり、「歯を残す」だけでなく「歯を生かす」ことを目標とした治療なのです。

歯髄再生における根管治療の重要性

歯髄再生治療の成否を左右するのが、移植前の精密根管治療です。

根管とは歯の内部にある細い管状の空間で、もともと神経や血管が通っていた部分です

ここに細菌が残っていると、せっかく移植した歯髄幹細胞も感染により失われてしまいます。

そのため歯髄再生では、根管内を徹底的に洗浄・消毒し、細菌が存在しない無菌状態を作り出すことが不可欠です。

なお、上記画像が実際に根管治療で洗浄された歯牙となります。

歯髄再生の根管治療が保険適用外になる理由

歯髄再生を実施する歯科医院では、治療費を「根管治療費(約10万〜30万円)」と「歯髄再生治療費」に分けて提示するケースが一般的です。

根管治療だけでこれほどの費用がかかる理由は、歯髄再生を前提とした根管治療が、保険診療の枠組みを大きく超えた内容だからです。

歯髄再生における根管治療の特徴

まず、ラバーダム防湿によって完全に唾液や外部細菌を遮断した、厳密な無菌環境下で行われます。

わずかな唾液汚染が治療結果に影響を及ぼすため、防湿操作は歯髄再生において必須の工程です。

治療はマイクロスコープを用いた拡大視野下で行われます。

肉眼では確認できない根管の形態や汚染部位を把握し、細部まで正確に洗浄・形成を行うことが求められます。

この精度が、根管内の清潔度を大きく左右します。

また、1回あたりの治療時間も重要な要素です。

歯髄再生を前提とした根管治療では、60分から90分以上の十分な処置時間を確保し、洗浄と消毒を妥協なく行います。

短時間で完了する処置では、必要な清潔度に到達することは困難です。

さらに、歯髄再生特有の工程として、KBM培地を用いた細菌検査が行われます。

この写真が実際のKBM培地です。

KBM培地

これは、根管内から採取した検体を培養し、細菌が検出されないことを確認する検査です。

この検査で陰性が確認されるまで、根管治療と消毒処置を繰り返します。

歯髄再生では、「見た目がきれい」「症状が落ち着いている」という状態では不十分です。

科学的に細菌の存在が否定されて初めて、歯髄移植を行う段階へ進むことができます。

根管治療を保険診療で済ませることは可能か?

「根管治療だけは近所の歯科医院で保険適用で受けられないだろうか」

費用面を考えると、このように検討される方も少なくありません。

確かに、保険診療の根管治療でも痛みを取り除き、一時的に感染を抑えることは可能です。

しかし、歯髄再生を前提とした場合、求められる清潔度と管理基準が根本的に異なります

保険診療と自由診療の根管治療の違い

項目 保険診療 歯髄再生前提の自由診療
治療時間 15〜30分程度 60〜90分以上
使用機器 肉眼またはルーペ マイクロスコープ必須
防湿方法 簡易的な方法 ラバーダム防湿
細菌検査 なし KBM培地検査で確認
治療回数 2〜3回 必要に応じて複数回

歯髄再生では、根管内の細菌数を検査で確認し、細菌が検出されなくなるまで洗浄と消毒を繰り返します。

このレベルの管理は、通常の保険診療では想定されていません。

他院で根管治療を受けた場合の注意点

すでに他院で根管治療を受けている場合でも、歯髄再生を行う歯科医院では安全性確保のため再度根管治療を実施するケースがほとんどです。

これは過去の治療が不十分だったという意味ではありません。

歯髄再生という特殊な治療では、治療環境や管理方法を完全に把握した上で、一貫した処置を行う必要があるためです。

理解せずに進めると、かえって費用や時間のロスにつながることもあります。

費用を抑えたい方が本当に考えるべきこと

歯髄再生治療の費用を考える際、単純に金額の安さだけで判断することはおすすめできません

重要なのは、その治療が歯の将来にどのような影響を与えるかという長期的視点です。

歯髄再生は一度の治療で完結するものではなく、長期的な歯の保存を見据えた投資です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 歯髄再生治療の総費用はどのくらいですか?

一般的に、根管治療費(10〜30万円)と歯髄再生治療費(30〜60万円程度)を合わせて、総額40〜90万円程度が相場です。歯の状態や医院によって異なります。

Q2. 医療費控除は使えますか?

はい。歯髄再生治療は医療費控除の対象となります。年間の医療費が10万円を超える場合、確定申告で所得控除を受けられます。

Q3. 保険の根管治療後でも歯髄再生は可能ですか?

可能ですが、歯髄再生を行う医院で再度精密根管治療が必要になるケースがほとんどです。最初から相談することをおすすめします。

Q4. 治療期間はどのくらいかかりますか?

根管治療から歯髄移植まで、通常3〜6ヶ月程度が目安です。根管内の細菌状態によってはさらに期間が必要になることもあります。

歯髄再生を検討するなら最初から専門医に相談を

後悔しない治療のために歯髄再生治療を検討している方は、根管治療を始める前の段階で、歯髄再生を実施している歯科医院に相談することが重要です。

歯の状態や治療歴を正確に把握した上で最適な治療計画を立てることが、結果的に時間と費用の無駄を防ぐことにつながります。

赤坂さくら歯科クリニックでは、歯の状態に応じた現実的な選択肢を専門的な視点からご提案しています。まずはお気軽ご相談ください。

監修医師:土黒 さくら
略 歴
2014年 鹿児島大学歯学部 卒業
2014年 東京医科歯科大学 臨床研修歯科医
2015年 大型医療法人グループ歯科医院 勤務
2016年 大型医療法人グループ歯科医院 分院長就任
2018年 港区赤坂の歯科医院 勤務
2020年 赤坂さくら歯科クリニック 開院
2023年 医療法人社団桜麗会設立 理事長就任
所属学会等
・日本口腔インプラント学会
・日本歯周病学会
・東京SJCD歯科スタディーグループ
・インビザライン 認定ドクター
・日本顕微鏡歯科学会

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カテゴリ:医師監修コラム, 歯髄再生治療に関するコラム