赤坂の歯医者 赤坂さくら歯科クリニック

医師監修コラム

親知らずを利用した歯の再生医療とは?治療法や利用の流れを解説

「親知らずがあるから抜こうと思ったけれど、再生医療に使えるって本当?」

「親知らずを使用した再生医療って何?」

親知らずを抜くべきか、将来のために残すべきか迷う方は多く、使わないなら抜いた方がいいのかと悩むこともあるでしょう。

親知らずを無駄にせず、歯や口腔内の健康維持に役立てたいなら再生医療の活用をご検討ください。

本記事では、親知らずを活用した再生医療の仕組みやメリット、治療の流れを解説します。

赤坂さくら歯科クリニックでは、親知らずを活用した再生医療についての相談を受け付けています。

気になる方はぜひお問い合わせください。

親知らずを利用した再生医療とは?

再生医療とは、患者自身の細胞や人工材料を用いて機能が低下した組織や臓器を回復させる医療です。

人体には分化と自己複製の能力を持つ幹細胞が存在します。

「分化」
ほかの細胞に変化する能力です。

「自己複製」
分裂して同じ細胞を作る能力です。
幹細胞を培養して患部に移植することで機能を再生します。
また、自身の細胞を使用するため、拒絶反応や副作用のリスクが低くなるのです。

なぜ親知らずが注目されているのか?

親知らずが注目されているのは、親知らずから採取できる「歯髄幹細胞(歯髄:歯の神経)」に以下のようなメリットがあるためです。

・骨髄の細胞などと比べると3~4倍の増殖力がある
・年齢や性別を問わずに利用できる
・歯を抜くだけなので採取が簡単
・ほかの細胞の利用に比べて腫瘍化しにくい

このような特徴から親知らずの中にある歯髄幹細胞は注目を浴びているのです。

若い人ほど歯髄幹細胞の増殖能力が高いため、若いうちに保存しておくことで、将来の再生医療に活用しやすくなります。

親知らず以外の歯ではダメなのか?

親知らずがない場合、矯正で不要になった歯や乳歯も利用可能ですが、以下の場合は使用できません。

・横向きに生えていたりあごの骨に深く埋まっていたりして分割しなければ抜けない
・神経に達するような大きな虫歯がある(虫歯の歯には細菌が存在し、細胞が死んでいたり細菌感染を起こしたりしている可能性があるため)

親知らずを活用した再生医療の具体例|歯髄再生治療

歯髄再生治療は、親知らずから採取した歯髄幹細胞を培養し、神経が死んだ部分に埋め込むことで再生を促す治療法です。

以下のようなメリットがあります。

・神経が回復することで痛みや温度を感じやすくなり、早期発見につながる。
・歯髄の免疫機能が正常に働くことで細菌の侵入を防ぎ、再度の虫歯や根尖病巣になりにくくなる。
・血流が回復し、歯の内部に栄養や酸素が行き渡ることで変色を防ぐ。

2020年8月から実用化された新しい治療法です。

しかし、これまでの臨床報告では90%程度の成功率が示唆されています。

当クリニックでも、今までの症例において失敗例はありません。

赤坂さくら歯科クリニックの歯髄再生治療についてはこちらをご覧ください。

今後期待される親知らずを使用した再生医療

親知らずを使用した再生医療は、歯髄幹細胞の特徴から、以下のような先進的な疾病治療に期待されています。

「歯科疾患」

・虫歯(う蝕)
・骨欠損
・歯周病

「神経疾患」

・脊髄損傷
・脳梗塞

「筋疾患」

・心筋梗塞
・筋ジストロフィー

「臓器疾患」

・肝硬変
・肝線維症
・糖尿病
・角膜欠損
・毛包欠損(脱毛症治療)
・下肢虚血

現在は動物実験の段階ですが、治療効果が報告されており、数年後には臨床研究実験が始められると期待されています。

親知らずを再生医療に利用する方法

親知らずを再生医療に利用する方法を解説します。

抜歯後の保存方法(歯髄バンクなど)

抜歯後は、歯髄バンクに送り、歯の中の細胞を採取・培養したあと凍結して保管します。

抜歯から幹細胞の採取までの温度管理や衛生管理が重要なためです。

自宅で保存した親知らずは、適切な冷凍保存がされていないため、再生医療には不適切です。

歯髄再生治療を受けるための流れ|赤坂さくら歯科クリニック

歯髄再生治療を受ける場合の再生医療を受けるための流れは以下のとおりです。

1.カウンセリング・検査
クリニックで採血や尿検査、歯科ドックなどを行い、親知らずが再生医療に適しているか確認します。

2.契約
クリニックや歯髄バンクと契約をするために申し込みや同意書の記入を行います。
治療費は、一括払いのほか、医療ローンやクレジットカード分割払いが利用できます。
クリニックによって支払い方法が異なるため、事前に確認しておくと安心です。
歯髄バンクの保管費用(5年約3万~)も発生するため、契約時に初期費用と年間保管費の有無をチェックしておきましょう。

3.親知らずの抜歯後歯髄幹細胞の採取と培養
クリニックで親知らずを抜歯し、歯髄幹細胞を採取したあと歯髄バンク(アエラスバイオ社)に送り、培養します。
培養に成功しなかった場合は、アエラスバイオ社から返金されます。

4.歯髄幹細胞を移植する
治療する歯の根管を洗浄・無菌化したあと歯髄幹細胞を移植します。

5.経過観察
定期的に経過を観察し、歯髄が再生するか、歯に生活反応(痛みや温度を感じるか)が出るかなどを確認します。

6.被せ物や詰め物の取り付け後治療終了
歯髄組織が再生されたのを確認したのち、被せ物や詰め物をして治療完了です。
3カ月〜6カ月ペースで定期健診やメンテナンスを行います。

親知らずを抜くか迷っているなら赤坂さくら歯科クリニックにご相談ください

親知らずがあれば、さまざまな再生医療に使用できます。

しかし受けるためには、専門の知識や技術が必要です。

抜歯するか迷っている方や再生医療に興味のある方は、当クリニックまでご相談ください。

赤坂さくら歯科クリニックでは、歯髄再生治療など最先端の再生医療を提供しています。

親知らずの活用方法については、経験豊富な歯科医師がアドバイスいたします。

お気軽にご相談ください。

監修医師:土黒 さくら
略 歴
2014年 鹿児島大学歯学部 卒業
2014年 東京医科歯科大学 臨床研修歯科医
2015年 大型医療法人グループ歯科医院 勤務
2016年 大型医療法人グループ歯科医院 分院長就任
2018年 港区赤坂の歯科医院 勤務
2020年 赤坂さくら歯科クリニック 開院
2023年 医療法人社団桜麗会設立 理事長就任
所属学会等
・日本口腔インプラント学会
・日本歯周病学会
・東京SJCD歯科スタディーグループ
・インビザライン 認定ドクター
・日本顕微鏡歯科学会

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カテゴリ:医師監修コラム, 歯髄再生治療に関するコラム